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田中彰治(助手) 分子研リポート2003 | 分子科学研究所

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Academic year: 2018

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研究系及び研究施設の現状 179

田 中 彰 治(助手)

A -1)専門領域:構造有機化学、分子スケールエレクトロニクス

A -2)研究課題:

a) ナノ電子工学との融合を目指した大型分子機能システムの開発

A -3) 研究活動の概略と主な成果

a) 極限の機能集積度(1機能ユニット/平方ナノメータ)を有する「真に分子レベルの電子情報処理システム」の創出に 至る根幹技術として,単一の大型平面分子骨格内に多種多様な分子機能ユニットを定序配列に作り込むプレーナー 型モノリシック機能集積化アーキクチャの開拓が求められている。そのための基盤研究として本プロジェクトでは,

①電子構造制御用分子ブロック,②被覆型分子ワイヤーブロック,③分子ジャンクションブロック,④分子アンカー ブロックといった要素機能モジュール群の開発,並びにその大規模組織化法の新規開発を進めている。今年度は,個 別分子レベルでの実空間観測が可能な「プレーナー型固体電極−分子間接合」の作成を目指して,部分被覆型分子ワ イヤーブロックの開発を行った。また,分子への被覆部位の導入効果について,スペクトル的,電気化学的特性,並び に有機F E T 特性から検討を行い,非被覆型分子との差異を明らかにした。本知見は,従来,非被覆型分子を試料にし て行われてきた導電性高分子のキャリアーに関する計測研究を再検討する必要性を示唆するものである。

B -1) 学術論文

K. ONO, S. YAMADA, M. OHKITA, K. SAITO, S. TANAKA and T HANAICHI, “Electrochemical Synthesis and Properties of Poly[1,4-bis(N-pyrrolylalkoxy)benzene]s with a Three-Dimentional Crosslinked Structure,” Chem. Lett. 516–517 (2003).

B -4) 招待講演

田中彰治 , 「精密分子設計・合成化学からの単一分子素子作製」, 第50回応用物理学関係連合講演会・シンポジウム「分 子バイオナノテクノロジー」, 横浜 , 2003年 3月 .

田中彰治 , 「プレーナー型単一分子発光素子の設計」, 単一分子発光素子研究会 , 東京 , 2003年 9月 .

田中彰治 , 「プレーナー型機能分子集積系の構築」, 化学研究所・構造有機化学シンポジウム「π共役系化学の新展開」, 京都 , 2003 年 12 月 .

B -7) 学会および社会的活動 学会の組織委員

分子研分子物質開発研究センター・特別シンポジウム「分子スケールエレクトロニクスにおける新規分子物質開発」主催 者 (1998).

応用物理学会・日本化学会合同シンポジウム「21世紀の分子エレクトロニクス研究の展望と課題―分子設計・合成・デ バイスからコンピュータへ―」日本化学会側準備・運営担当 (2000).

第12回日本MRS学術シンポジウム:セッション H「単一電子デバイス・マテリアルの開発最前線∼分子系・ナノ固体系の 単一電子デバイス∼」共同チェア (2000).

(2)

180 研究系及び研究施設の現状

F irst International C onference on Molecular E lectronics and B ioelectronics 組織委員 (2001).

C ) 研究活動の課題と展望

無機,有機を問わず「バルクレベルの固体電子素子」の根幹科学は「固体物理・化学」である。しかし,「分子スケール電子 素子」の根幹科学は,複雑な分子や錯体の取り扱いに特化した「量子化学」であると考え,本研究を遂行している。バルクレ ベルの周期系やランダム系には有効な固体物理的概念や手法も,本研究で対象とするような非周期的定序配列型巨大分 子を機能源とするシステム(実績のあるところでは,DNA )の取り扱いには不向きである(伝導特性のような,“ 単純機能” は除 く)。抜本的に「科学の階層」が異なっていると思われるのであるが,分子スケールエレクトロニクスの基礎研究に対し,在来 の固体物理的な評価基準が適応されることが多いのはこれ如何に?… … とボヤイていても仕方なし。ただ,天然,人工を問 わず多大な手間をかけて逐次精密合成された非周期的定序配列型巨大分子の構造には,「作者の強固な意志」が組み込 まれていることを認識いただきたい。一見して難解な分子構造式を“ 読解する能力” の必要性を,今後の異分野間研究会等 でも主張していく所存である。

参照

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